2018年10月の注目ディール<イオングループがスーパーマーケット事業を再編>

2018-11-13

イオングループは昨年12月発表の中期事業計画で明らかにしていた全国のスーパーマーケット事業の再編について、改めて具体的な手法を明らかにしました。再編は、8社の上場企業を含む14子会社を全国のエリア毎に経営統合するというものです。
エリア毎の再編における統合比率は今後決定される予定ですが、全ての統合当事会社の親会社であるイオンには、これが上場会社各社の少数株主にとって公正な比率となるようにすることが求められます。少数株主保護のための手続きが、形式的なものに留まらないよう期待したいと思います。

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2018年9月の注目ディール<ADAKAによる日本農薬の子会社化>

2018-10-13

ADAKAが持分法適用関連会社の日本農薬に対してTOBと第三者割当増資を組み合わせて実施することにより、同社株式の所有比率を51%まで引き上げました。但し、買付予定数の上限設定によって応募株式の6割以上が買付の対象外となったことに加え、第三者割当増資の発行価額がTOB価格の74%程度の水準であったため、少数株主にとって不利益が生じているという見方がされています。
ADEKAにとって本件の目的は、農薬事業を同社のポートフォリオに取り込むことにより、ライフサイエンス事業をADEKAグループの第4の柱とすることです。この目的を早期に実現し、日本農薬の少数株主に対して還元していくことが、期待されます。

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2018年8月の注目ディール<KDDIと電源開発による共同TOB>

2018-09-11

2018年8月8日、KDDIと電源開発は共同で新電力のエナリスに対して公開買付を実施することを発表しました。エナリスは既にKDDIの持分法適用関連会社であるため、本件共同TOBは、卸電力事業者である電源開発がKDDI・エナリスの小売電力事業に資本参加をして、新たな事業連合を構築するものだと言えます。
2016年の卸規制の撤廃と小売全面自由化によって急激に競争環境の変化が進む電力業界にあって、新たな事業展開をもくろむ電源開発の動向に注目が集まります。

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2018年7月の注目ディール<ヤフー株式に対する2件の公開買付>

2018-08-12

2018年7月10日、ヤフー株式に対する2件のTOBが公表されました。1件は携帯事業会社であるソフトバンクが、アルタバ(旧米ヤフー)が所有する株式の一部を買取るためのTOBであり、もう1件はヤフーが親会社であるソフトバンクグループ(SBG)より自己株式を買取ることを目的とするTOBです。
アルタバがヤフー株式の売却方針を表明したことを受けた株価対策の意味もありますが、複雑ストラクチャーを採用した裏にはそれ以外の狙いも読み取ることが可能です。

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2018年6月の注目ディール<シャープが新株発行による自己株式取得を中止>

2018-07-13

2018年6月29日、シャープは6月5日に公表したばかりの新株発行とA種種類株式の消却を中止すると発表しました。約2000億円規模の新株発行が公表からわずか1ヵ月の間に中止が決定されることは異例です。シャープは、米中貿易摩擦により市場環境が不安定となっていることを理由に挙げていますが、市場環境のせいにするのではなく、株主の理解が得られやすい経営環境を自ら作り出していくことが、同社に求められていることだと思われます。

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2018年5月の注目ディール<武田薬品工業がシャイアーを約6兆8000億円で買収>

2018-06-13

2018年5月8日、武田薬品工業がアイルランドのバイオ医薬品メーカーであるシャイアーの買収で合意しました。売上高の単純合計は3兆4千億円を超え、売上規模世界第9位の製薬メーカーが誕生するとなります。買収総額は460億ポンド(約6兆8000億円)で、日本企業による海外企業M&Aとして過去最大です。
一方で、巨額買収に伴う財務に対する悪影響も大きな不安要素となっています。両社のマネジメントは、買収がもたらすメリットだけでなく、本件に伴うリスクについても、株主に対してきちんと説明していく必要があります。両社の株主総会における承認に向けて、説明責任がどのように果たされるのか、まずは注目したいと思います。

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2018年4月の注目ディール<マネックスグループがコインチェックを完全子会社化>

2018-05-12

2018年4月6日、マネックスグループはコインチェックの全株式を取得して完全子会社化すると発表しました。コインチェックは大手仮想通貨業者の一角を占めていたものの、580億円の仮装通貨NEMの不正流出事件を起こして2度の経営改善命令を受けた上、いくつもの訴訟を抱えて経営の存続が危ぶまれていました。
コインチェックが抱えるリスクを呑み込んで、急拡大を見せる仮装通貨市場に参入したマネックスグループが、どのように「未来の金融の在り方をデザインし、新たな価値を提供(松本大同社社長)」していくのか、今後のかじ取りに注目が集まります。

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2018年3月の注目ディール<アミタホールディングスの第三者割当増資に差止仮処分が決定>

2018-04-10

産業廃棄物リサイクル事業を手掛けるアミタホールディングスによる第三者割当増資が、中止に追い込まれることとなりました。昨年の4月より同社の株式を買い進めて大株主となっていた同業の山崎砂利商店による申立てを受けて、裁判所が差止仮処分の決定をしたことが直接の原因です。
本件は、株主総会の意思決定に対して、司法が待ったをかけたという点で注目に値すると思われます。更に、市場で30%近い株式を取得して大株主となった株主に対する対応という観点から考えると、近年廃止するケースが増えてきている買収防衛策をめぐる動向に対して、何らかの影響があるかもしれないという点でも見過ごすことは出来ません。

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2018年2月の注目ディール<東栄リーファーラインがMBOに再挑戦>

2018-03-12

2018年2月7日東栄リーファーラインは同社経営陣によるMBOが開始される旨公表しました。同社経営陣は昨年11月にもMBOを目的としたTOBを仕掛けて失敗したばかりですが、時間を開けずに再挑戦をすることとなりました。
1回目のMBOで600円であった公開買付価格は、今回は800円まで引き上げられまています。公開買付価格は一株当たり簿価純資産よりも依然低い水準であるものの、1回目のTOBの際に株式を買い進めた旧村上ファンドも今回のTOBには応募する意向ですので、一部懸念事項は残るものの、成立の可能性は高まったと言えるでしょう。

今回のMBOでは、1名の社外取締役を除く全取締役が買い手となっています。そのため、その社外取締役を支援し、株主の利益を保護するために設置される第三者委員会の役割は、通常以上に重要なものとなるはずです。公表資料からは、第三者委員会がどれほど慎重な検討をしたかについて伺い知ることは出来ませんでした。第三者委員会が、単に手続き要件を充足するために設置されたお飾りでないことを、どのように示していくかということは、今後の大きな課題であるものと考えられます。

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2018年1月の注目ディール<富士フィルホールディングスが米ゼロックスを子会社化>

2018-02-10

2018年1月31日、富士フィルムホールディングスは。米ゼロックスの50.1%の株式を取得して子会社化することを発表しました。本件の特徴は、子会社である富士ゼロックスに自己株式の取得をさせることを通じて、キャッシュアウト無しで米ゼロックスを子会社化することにあります。税務メリットも享受できるというおまけもつきました。
但し、喜んでばかりもいられません。日本の富士ゼロックスとの経営統合を経て、米ゼロックスは世界最大規模のドキュメントソリューションカンパニーに生まれ変わりますが、世界の事務機器市場は既に飽和状態にあります。また、もの言う株主として知られる著名投資家のカール・アイカーン氏が、これまで米ゼロックス筆頭株主として様々な要求を突き付けてきていましたので、すんなりと合意を得られる保証はありません。低迷する売上を立て直し、年間1,200百万ドルのシナジーを実現させるためには、しっかりとしたガバナンス体制の構築が最重要課題だと思われます。

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