2019年5月の注目ディール<ソフトバンクによるヤフーの子会社化>

2019-06-11

ヤフーは、通信事業会社のソフトバンクに対する第三者割当増資を実施するとともに、自己株式TOBを実施しました。自己株式TOBは実質的に親会社であるソフトバンクグループからの買付であるため、ヤフーはソフトバンクグループの子会社からソフトバンクの子会社へと移動することになります。
本件一連の取引は、投資事業会社であるソフトバンクグループから見れば、グループ内におけるヤフー株式の移動と5000億円にのぼるキャッシュの吸い上げであり、ソフトバンクグループの連結決算上の影響は大きくありません。一方で、新たにヤフーを子会社化するソフトバンクは連結売上を約1兆円、当期利益を約800憶円それぞれ増加させるため、上場会社であるソフトバンク株主に対する影響は無視できません。
加えて、ヤフーは上場子会社を2社有していることから、親子4世代の上場という状況も生まれました。ソフトバンクグループの資本構造は、コーポレート・ガバナンスの観点から注視すべきと思われます。

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