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2024年11月の注目ディール<リニューアブル・ジャパンが東急不動産と共同でMBO>
リニューアブル・ジャパンは2024年11月14日、東急不動産と共同してMBOを実施する旨公表しました。本件では、東急不動産がTOBの買付者となってTOBが実施され、一連の取引後の株主構成は東急不動産が85%、リニューアブル・ジャパンの現社長が15%となる予定です。
一般にMBOは、経営陣による自社の買収(経営権の取得)と理解されていますが、リニューアブル・ジャパンの営む再生エネルギー事業は東急不動産の注力事業分野でもあるため、本件ではニュアンスが少し異なるものと思われます。
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2024年10月の注目ディール<富洋海運が兵機海運に対して同意なきTOBを開始>
2024年10月18日、富洋海運が子会社を通じて兵機海運に対してTOBを開始することを公表しました。本件目的は、20%を下回る範囲で可能な限り多く所有する株主の立場となることにより、兵機海運との早期の資本業務提携に向けた発言力を強化すること、とのことで。本件は、兵機海運の子会社化を狙いとするものではありませんが、事前の合意を経ずに開始されたTOBであり、同意なき買収提案の部類に位置づけられます。
兵機海運は11月15日に、反対意見の表明を公表しました。既に、大和工業グループとの提携協議の開始も明らかにされており、今後の行方が気になります。
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2024年9月の注目ディール<ベインキャピタルがティーガイアを買収>
ティーガイアは2024年9月30日、ベインキャピタルがTOB等の一連の取引を通じて同社を買収することを公表しました。ティーガイアの筆頭株主である住友商事(所有割合41.80%)と第2位の株主である光通信グループ(所有割合はグループ合計で28.86%)も、所有株式の全てを売却することに合意しています。
本件は、3度のTOB、スクイーズアウトのための株式併合及び相対取引を組み合わせたプロセスが採用されています。更に、マジョリティ・オブ・マイノリティが設定されていることも、他にはない特徴といえるでしょう。
このまま何事もなくTOBが成立するか、注意が必要です。
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2024年8月の注目ディール<伊藤忠商事がデサントに対するTOBを公表>
2024年8月5日、伊藤忠商事がデサントに対するTOBを開始する旨公表しました。2019年に注目を集めた敵対的TOBから5年を経てたうえで、今度は完全子会社化を目指します。本件では、TOB価格について厳しい交渉がされたことが伺えますが、結果として、プレミアムは17%~25%と他の案件と比べて高いものとはなりませんでした。
特別委員会は他ではあまり見られないロジックを展開して、当該TOB価格を認めたのか、とても参考になります。
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2024年7月の注目ディール<ヘリオステクノHDに対するTOBが不成立>
RSテクノロジーズが2024年6月3日より実施していたヘリオステクノホールディングスに対するTOBが、7月13日に不成立となりました。本件は、少数株主との利益相反が問題となりやすいMBOや支配株主によるTOBではなく、また、最近増加してきた同意なき買収でもありません。そのため、特定株主間の利害対立という特殊な要因が不成立の原因となったわけではありません。
本件が不成立に追い込まれた原因を考察したいと思います。
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2024年6月の注目ディール<ジャパンフーズに対するTOB>
2024年6月20日、同年5月より実施されていたジャパンフーズに対するTOBについて、公開買付人であるアイ・シグマ・キャピタルはTOB価格を1,994円から2,449円に引き上げる旨公表しました。これは、TOB期間終盤における市場株価の上昇を受けての対応であり、結果として、TOB不成立を回避することが出来ました。
但し、当初のTOB価格は時間をかけて実施したギリギリの交渉の結果合意された価格であったはず。TOB期間終盤に、急遽20%以上もの引き上げがされたことに驚きを隠せません。
本件の事例が、今後のTOBに悪影響を与えないことを望みます。
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2024年5月の注目ディール<エスライングループがMBOを実施>
2024年5月15日、路線トラックの中堅業者であるエスライングループ本社は、MBOのための手続きの一環としてTOBを開始することを公表しました。物流業界では、物流の2024年問題といわれるドライバー不足が懸念されるなか、業界再編機運が高まっており、買収合戦が繰り広げられています。
本件MBOは、事前の応募合意株主が多いことやTOB公表前の市場価格の動きなど、他の案件とは異なる状況を見ることができます。
その意味で、規模は大きくないものの、行方を注視すべき案件であると思われます。
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2024年4月の注目ディール<USMHがいなげやを株式交換にて完全子会社化>
2024年4月18日、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)は、株式交換によりいなげやを完全子会社化することを公表しました。USMHといなげやは共にイオンの上場子会社であり、本件は、2023年4月に公表されたイオン、いなげや及びUSMH間の基本合意に基づく経営統合のための手続きの一環として実施されるものです。
そのため、株式交換比率等の取引条件の是非は経営統合全体の観点から判断する必要があり、単独の株式交換に比べて、判りづらくなっています。本件のプレスリリースでは、残念ながら、その観点からの説明が不足していると思われました。
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2024年3月の注目ディール<AZ-COM丸和ホールディングスが同意なきTOBを公表>
AZ-COM丸和ホールディングスは2024年3月21日、C&Fロジホールディングスに対してTOBを実施する予定であることを公表しました。本件は、事前に同意を得たものではなく、同意なき買収提案です。
2023年8月の「企業買収における行動指針」公表後、本件のような同意なき買収提案が増えてきており、その位置づけも、普通の買収行為と位置付けられてきているようです。本件では、TOBの公表前に1年近くをかけて協議をしても合意に至らなかったという経緯もあり、C&Fロジホールディングスの取締役会と特別委員会が今後どのような判断と対応をするのか注目すべきです。
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2024年2月の注目ディール<ローランド ディー.ジー.がMBOを実施>
ローランド ディー.ジー.は、2024年2月9日に米国投資ファンドのタイヨウ・パシフィック・パートナーズをスポンサーとしてMBOを実施することを公表しました。同社は現在ローランドDGの19%を保有する主要株主であると共に、同社CEOを社外取締役として送り込んでいます。 その意味で、少数株主保護の観点がより重視されなければならない案件です。
本件TOBに対し、3月13日にブラザー工業が5月中旬を目途としてTOBを開始する予定であることを公表しました。経済産業省が公表した新たなM&A指針の下で、このような対抗TOBは増えていく可能性があります。その意味でも本件の注目度は高いと言えます。
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