Archive for the ‘マーケット’ Category
2016年1月の注目ディール<損保ジャパンによるメッセージのTOB>
損保ジャパン日本興亜ホールディングス(以下、損保ジャパン)は2016年1月28日、介護事業大手のメッセージを子会社化するための公開買付けを開始する旨発表しました。本公開買付けは、昨年12月21日から開始された第1回公開買付けに続く第2ラウンドに当たります。
2段階公開買付けは非常に珍しいストラクチャーなため、それだけでも注目に値しますが、本件では昨年末にワタミの介護事業を買収したことに続けての買収劇を進めた損保ジャパンの事業拡大のスピードにも注目すべきです。
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2015年12月の注目ディール<JXホールディングス・東燃ゼネラル石油による経営統合>
2015年12月3日、石油元売り国内1位のJXホールディングと同3位の東燃ゼネラル石油は2017年4月を目処に経営統合することについて基本合意したと発表しました。本統合により、売上高14兆円超のガリバー企業が誕生することになります。
出光興産と昭和シェル石油が7月に経営統合を表明し、続けて、11月12日に合併することで合意をした旨の発表が行われたばかりです。本件も、より早期の効果実現が期待される合併による統合を予定しており、生き残りをかけた業界再編にスピード感が求められていることを強く感じます。
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2015年11月の注目ディール<米ファイザーによるアラガンの買収>
2015年11月23日、米製薬大手のファイザーがアイルランドの同業大手アラガンを事実上買収することが発表されました。買収総額は1600億ドル(約19兆7000億円)と今年世界最大の案件です。
本件の狙いの一つとして、法人税率が35%と高い米国から低税率国であるアイルランド(12.5%)に本社を移す「タックスインバージョン」が挙げられています。タックスインバージョンは租税回避として批判が高いことも事実であり、最近ではオランダに本社移転をもくろんだアプライドマテリアルと東京エレクトロンの統合においても関係当局の承認が得られず破談となったことも記憶に新しいところです。
本件の成立の可否については注意が必要です。
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2015年10月の注目ディール<日本製紙と特種東海製紙の段ボール関連事業における事業提携>
日本製紙と特種東海製紙は、2015年10月7日、段ボール原紙及び重袋用・一般両更クラフト紙事業における事業提携について基本合意を締結しました。本事業提携の実現によって国内シェアは約20%となり、レンゴーを抜く国内2位の規模となる見込みです。
厳しい事業環境が続く段ボール関連業界において、本提携が今後どのような展開を見せるか注目です。
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2015年9月の注目ディール<伊藤ハムと米久の経営統合>
食肉加工業界2位の伊藤ハムと同7位の米久が経営統合することになりました。伊藤ハムと米久はいずれも三菱商事を筆頭株主としており、3社は2009年より包括的事業提携契約を結んでいます。その意味では、今回の経営統合は、既定路線ということもできるかもしれません。
ストラクチャーは共同株式移転による共同持株会社設立で、両社は持株会社の傘下にぶら下がります。これまでの包括事業提携関係を更に深化させるための、次の展開にも注目です。
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2015年8月の注目ディール<住友生命による米生保シメトラ・ファイナンシャルの買収>
住友生命は米国の上場生命保険会社であるシメトラ・ファイナンシャルを買収する旨発表しました。買収総額は3,732百万ドル(約4666億円)で、本年2月に買収手続きを完了した第一生命によるプロテクティブ・ライフ・コーポレーションの買収、本年7月に明らかになった明治安田生命によるスタンコープ・ファイナンシャル・グループ買収に続く米国生保の大型買収です。
9月には、住友生命が大株主として名を連ねる三井生命を日本生命が子会社化することで合意が成立しています。これからの生命保険業界の動向から目が離せません。
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2015年7月の注目ディール<出光興産・昭和シェル石油による経営統合合意>
2015年7月30日、出光興産と昭和シェル石油は2016年をめどに経営統合することで合意した旨発表しました。本件では、まず出光興産がロイヤル・ダッチ・シェルより昭和シェル石油の株式33.3%を取得します。その後の両社による経営統合が実現することにより、更なる業界再編が生じる可能性も高いと思われ、その意味でも本件に対する注目度は上がります。
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2015年6月の注目ディール<ツルハホールディングスによる2段階TOB>
2015年6月1日、ツルハホールディングスはレデイ薬局に対する第2回TOBを開始する旨の発表をしました。本TOBは本年4月にフジと共同で実施したTOBに続く第2弾にあたります。本件では第1回TOBも、資本関係のないツルハホールディングスとフジによる共同TOBであったことから、全体として非常に珍しい組み合わせのスキームとなりました。
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2015年5月の注目ディール<シャープの優先株発行による資本増強>
2015年5月14日、シャープは新中期経営計画を発表すると同時に、優先株発行による資本調達を発表しました。合計2250億円の調達額のうち、2000億円は銀行による引き受けであり、同金額は借入金の返済に充てられる金融支援です。
再びV字回復を狙うシャープの今後の動向は注目すべきであると思われます。
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2015年4月の注目ディール<新日鐵住金による上場子会社2社の完全子会社化>
2015年4月28日、新日鐵住金は上場子会社である鈴木金属工業と日鉄住金テックスエンジの2社をそれぞれ株式交換によって完全子会社化する旨発表しました。新日鐵住金は「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を実現するための2017年中期経営計画を推進していますが、本件のグループ再編は当該計画の一環として実施されるものといえるでしょう。
親子上場会社間の株式交換に求められる取引の公平性確保の観点から、両案件に注目しました。
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