Archive for the ‘マーケット’ Category
2014年8月の注目ディール(1)<アコーディアによる自己株TOB>
2014年8月4日、アコーディア・ゴルフは自己株式の公開買付けを開始する旨発表しました。
アコーディア・ゴルフは2012年の年末から翌年明けにかけてPGMホールディングより敵対的買収をかけられていますが、その際に大株主として登場したレノグループが今回もキーとなっています。
アクティビストを意識した案件であるが故に、他の自己株式の公開買付け案件とは異なる状況が見られます。
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2012年12月から翌年明けにかけて実施されたPGMによる敵対的TOBについても、トピックス/インサイトで取り上げています。2013年1月の注目ディールも併せてご覧ください。
2014年7月の注目ディール<有機ELディスプレイパネルの統合新会社設立合意>
産業革新機構(INCJ)、ジャパンディスプレイ(JDI)、ソニー及びパナソニックの4社は、有機ELディスプレイパネルの量産開発加速及び早期事業化を目的として新会社を設立することに合意しました。統合会社における議決権割合は、INCJが75%、JDIが15%、ソニーとパナソニックが共に5%ずつとなる予定です。
有機ELディスプレイは2000年台より次世代の技術として有望視されてきましたが、コスト削減が進まず、いまだ量産化の体制が整っていません。こうした苦しい状況下での新会社設立ですが、強い日本のハイテク産業復活に向けて、この統合会社が躍進することを期待したいと思います。
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2014年6月の注目ディール<第一生命によるの米プロテクティブの買収>
第一生命は2014年6月4日、米国生命保険会社のプロテクティブを5,708百万ドルで買収すると発表しました。日本の生命保険会社による海外企業の買収では過去最大の買収案件です。また、同時に、上場以来初めてとなる最大約2759億円の公募増資も決定しました。2010年に相互会社から株式会社へと転換したことを最大限に活用した形となります。
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2014年5月の注目ディール<ローランドのMBO>
ローランドは2014年5月14日、大株主であるTaiyo Fundと現社長の三木氏によるMBOに賛同する旨表明しました。
ローランドが属する電子楽器市場では、近年価格競争が激化しており、高価格帯を得意とする同社は国内外で苦戦が続いています。本件は、同社がすすめる事業構造改革のスピードアップのために、MBOによる非上場化をするというものですが、創業者である梯氏が反対意見を表明したことから注目を浴びました。
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2014年4月の注目ディール<第一三共によるランバクシーの売却>
第一三共は2014年4月7日、インドにおける後発医薬品子会社のランバクシー・ラボラトリーズをサン・ファーマシューティカル・インダストリーが合併することに合意した旨発表しました。2008年にランバクシーを買収してから5年以上が経ちましたが、最終的にその経営権を手放すこととなります。本件は、近年増加傾向にある新興国の企業買収における難しさとリスクを示す一例と言えると思います。
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2014年3月の注目ディール<ヤフーによるイー・アクセスの株式取得>
2014年3月27日、ヤフーは、ソフトバンクからイー・アクセスを買収することを発表しました。買収後の新会社名はワイモバイル(Y!mobaile)です。
ヤフーは上場会社であるもののソフトバンクの子会社であるため、本件はグループ内の取引に過ぎないという見方もありますが、それ以上に注目すべき点はあると思われます。
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2014年2月の注目ディール<楽天がバイバー・メディアを買収>
2014年2月14日、楽天は、2億8千万人の登録ユーザーをもつ無料通話・メッセージングアプリ「Viber(バイバー)」を提供するバイバー・メディアの発行株式100%を取得するとともに、新株発行の引受を行い子会社することを発表しました。出資の総額は約9億米ドルにのぼります。
本件は、海外事業拡大を加速させる楽天にとって、過去最大級のクロスボーダーM&Aとなりました。
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2014年1月の注目ディール<サントリーが米ビームを買収>
2014年1月13日、サントリーホールディングスは、世界的蒸留酒ブランドを有する米ビームを160億ドル(1兆6500億円)で買収すると発表しました。この買収により、サントリーの蒸留酒事業は世界10位から3位に浮上します。飲料事業に比べて遅れているとされていた酒類事業の海外展開も、今回の巨額買収により、その成長に向けて大きく前進することになります。
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2013年12月の注目ディール<セブン&アイ・ホールディングによる矢継ぎ早のM&A>
2013年12月、セブン&アイ・ホールディングスは4件のM&Aを公表しました。少なくともここ数年間、セブン&アイグループは、M&Aに関してはあまり目立った動きはありませんでしたので、この矢継ぎ早の取り組みは予想外です。
4件の投資は、何れも同社のオムニチャネル戦略強化のための一手と言えるという点では共通しています。但し、個々の狙いという観点からは、全く異なるベクトルを持っているため、多面的な投資戦略を展開しているとも言えると思います。
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2013年11月の注目ディール<飯田グループホールディングスの設立>
2013年11月1日、低価格の戸建て分譲住宅を手掛けるパワービルダー6社が共同持株会社飯田グループホールディングスを設立して経営統合しました。いずれも上場企業である6社の経営統合となると、他に例が見当たりません。
本件では、それぞれの一般株主にとって公正性を保つために、6社ともフェアネスオピニオンを取得しました。弊社も6社のうちの1社であるアーネストワンに対してフェアネスオピニオンを提出しています。
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なお、飯田グループホールディングスの代表取締役会長であられた飯田一男氏が11月29日に逝去されました。飯田氏はグループにとってカリスマであり、6社をまとめる正に絶対的なリーダーであったと思われますが、本件統合は結果的に最後の大仕事となってしまいました。
同氏のこれまでの多大な功績に敬意を払うとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。