2016年7月の注目ディール<ソフトバンクが英ARMを買収>
2016年7月18日、ソフトバンクグループは総額244億ポンド(約3.3兆円)で英国半導体開発大手ARMを買収すると発表しました。ARM社は半導体製造に必要なIPを開発する事業を展開しており、少なくとも短期的には、ソフトバンクの既存の事業とのシナジーは不透明です。
ソフトバンクグループの孫社長は、本件を「パラダイムシフトの入口でした投資」と位置付け、中長期的な事業変革に自信を見せています。
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2016年6月の注目ディール<ソフトバンクがスーパーセル株式を売却>
ソフトバンクは、ゲーム開発子会社のスーパーセルの株式全てを中国のインターネット大手テンセントに約73億ドル(約7700億円)で売却する旨合意しました。モバイルインターネット強化のために同社を子会社化してしてからわずか3年にも満たないうちに打ち出された方向転換です。
同時期に実施されたアリババ、ガンホーの株式売却と併せ、ソフトバンクは一気に約2兆円の資金回収を決めました。「ソフトバンク2.0」における世界展開に、これらの資金がどう振り向けられるかが今後の注目点です。
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2016年5月の注目ディール<日産に対する三菱自動車の第三者割当増資>
燃費不正問題発覚後から今後の経営が不安視されていた三菱自動車と日産自動車は、2016年5月12日、資本業務提携について基本合意をした旨発表しました。日産は総額2370億円の第三者割当増資を引き受け、三菱自動車の34%の株式を有する筆頭株主となることとなりました。日産のゴーン社長は「三菱自動車はアライアンスファミリーの新たな一員となる」と説明しており、日産ルノーで実践済みの提携を通じた事業統合モデルを適用していく考えであると思われます。
不正問題の表面化からわずか3週間後の合意に大きな注目が集まりました。
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2016年4月の注目ディール<コカ・コーラウエストとコカ・コーライーストジャパンの経営統合>
コカ・コーラウエストとコカ・コーライーストジャパンが経営統合に関する基本合意を締結した旨の発表が2016年4月26日にされました。両社は、コカ・コーラグループのボトラーであるものの、共に独立経営を続ける上場会社であるため、グループ内再編とはかなり温度が異なります。
両社の統合により売上1兆円強のボトラーが誕生することになります。近年、競争の激化が加速する国内飲料市場において、今後の行方が注目されます。
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対談 大江橋法律事務所 パートナー弁護士 関口智弘氏
監査等委員会設置会社への移行を決める上場企業が増えています。改正会社法が施行された2015年5月よりわずか1年も経たない間に500社を超えました。しばらく、この流れは続きそうな勢いです。
2016年4月13日に弊社代表取締役安田昌彦と対談いただいた大江橋法律事務所の関口智弘弁護士は、M&Aだけでなく、会社法・コーポレートガバナンスも得意分野とされています。監査等委員会設置会社を中心にコーポレートガバナンスの考え方等について、専門家としての立場から見たお話を伺うと共に、いろいろな議論をさせて頂きました。
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2016年3月の注目ディール<キャノンによる東芝メディカルの買収>
東芝の優良子会社である東芝メディカルシステムズの入札は、キャノンが同社を6555億円で買収するという結果になりました。国内企業同士の大型案件であったことに加えて、本件では通常とは異なる不明瞭なストラクチャーが採用されたことからも、注目を集めています。
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2016年2月の注目ディール<アサヒグループHDよる欧州ビール事業買収>
アサヒグループホールディングスは、SABミラー社が欧州にて展開するビール事業を約3300億円で買収することを発表しました。本件は、アンハイザー・ブッシュ・インベブ社がSABミラー社を買収することにより生じる独占禁止法抵触を回避するための一連の手続きの一部です。
国内の競合他社に比べて海外展開が遅れているアサヒグループにとって、本件は海外事業強化の重要な一歩と位置付けられます。
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2016年1月の注目ディール<損保ジャパンによるメッセージのTOB>
損保ジャパン日本興亜ホールディングス(以下、損保ジャパン)は2016年1月28日、介護事業大手のメッセージを子会社化するための公開買付けを開始する旨発表しました。本公開買付けは、昨年12月21日から開始された第1回公開買付けに続く第2ラウンドに当たります。
2段階公開買付けは非常に珍しいストラクチャーなため、それだけでも注目に値しますが、本件では昨年末にワタミの介護事業を買収したことに続けての買収劇を進めた損保ジャパンの事業拡大のスピードにも注目すべきです。
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2015年12月の注目ディール<JXホールディングス・東燃ゼネラル石油による経営統合>
2015年12月3日、石油元売り国内1位のJXホールディングと同3位の東燃ゼネラル石油は2017年4月を目処に経営統合することについて基本合意したと発表しました。本統合により、売上高14兆円超のガリバー企業が誕生することになります。
出光興産と昭和シェル石油が7月に経営統合を表明し、続けて、11月12日に合併することで合意をした旨の発表が行われたばかりです。本件も、より早期の効果実現が期待される合併による統合を予定しており、生き残りをかけた業界再編にスピード感が求められていることを強く感じます。
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2015年11月の注目ディール<米ファイザーによるアラガンの買収>
2015年11月23日、米製薬大手のファイザーがアイルランドの同業大手アラガンを事実上買収することが発表されました。買収総額は1600億ドル(約19兆7000億円)と今年世界最大の案件です。
本件の狙いの一つとして、法人税率が35%と高い米国から低税率国であるアイルランド(12.5%)に本社を移す「タックスインバージョン」が挙げられています。タックスインバージョンは租税回避として批判が高いことも事実であり、最近ではオランダに本社移転をもくろんだアプライドマテリアルと東京エレクトロンの統合においても関係当局の承認が得られず破談となったことも記憶に新しいところです。
本件の成立の可否については注意が必要です。
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