2023年2月の注目ディール<T&K TOKAに対する敵対的TOBが不成立>
2023年2月22日、Rising Sun Management及びDalton Investment系の3社によるT&K TOKAに対する共同TOBが不成立に終わりました。本件はT&K TOKAの賛同を得ずに進められた敵対的TOBです。
敵対的TOBでは、買収防衛策の導入やホワイトナイトの出現など様々なやりとりが展開されるケースが多いと思われますが、本件では株式市場の混乱も見られず、比較的静かに幕が下ろされた印象です。その意味で、注目に値する案件だと思われます。
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2023年1月の注目ディール<インパクトホールディングスがMBO>
2023年1月26日、インパクトホールディングス(インパクトHD)は、ベインキャピタルをスポンサーとしたMBOを実施することを公表しました。本件の特徴として挙げられるのは2点。一つ目は検討の途中でスキームが大幅に変更されたこと。そして、二つ目の特徴はTOB価格が低いことです。この2つの特徴について考察してみたいと思います。
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2022年12月の注目ディール<ジャフコが自己株TOBを開始>
2022年12月21日、ジャフコグループは自己株式のTOBを開始することを公表しました。本件は、シティインデックスイレブンス等いわゆる村上ファンドが保有する19.53%(約14百万株)の株式の買取りを目的とするもの。いわば投資のプロ同士の対決として注目を浴びましたが、今回は村上ファンドに軍配が上がったと言えそうです。
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2022年11月の注目ディール<センコーグループHDが中央化学にTOBを開始>
2022年11月14日、センコーグループホールディングスは三菱商事の上場子会社である中央化学に対してTOBを開始する旨公表しました。本件では、まず三菱商事の保有株式全ての取得を目的とする第1回TOBを実施した後、その他の少数株主より株式を取得することを目的とする第2回TOBが実施されます。
第2回TOBにおけるTOB価格は第1回TOBよりも高く設定されており、即ち、本件二段階TOBは、三菱商事の経済的負担の下で、少数株主の利益に配慮して進めるためのストラクチャーであると言えます。
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2022年10月の注目ディール<KKRが日立物流に対するTOBを開始>
日立物流は2022年10月27日、KKRの子会社によるTOBが10月28日より開始されること、並びに、本TOBに対して賛同意見を表明するとともに応募の推奨する旨の公表をしました。KKRによる日立物流に対するTOBは本年4月28日に公表されていたもの。国内外の競争法並びに対内直接投資に係る法令のクリアランス取得を経て、開始することとなりました。
日立物流は2023年4月より社名を「ロジスティード」に変更します。日立製作所の資本は10%残り、今後も物流デジタルソリューション領域との連携は継続されるものの、日立製作所グループから独立した企業として、新たな一歩を踏み出します。
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2022年9月の注目ディール<出光興産が東亜石油に対して2度目のTOBを開始>
2022年9月30日、出光興産は連結子会社である東亜石油に対するTOBを開始することを公表しました。実は、2020年12月にも、出光は東亜石油に対してTOBを実施しています。この時は予定買付数の下限を上回る応募を得ることが出来ませんでした。
構造改革が求められる石油業界において、再度、完全子会社化を目指す出光の動きに注目が必要です。
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2022年8月の注目ディール<オイシックス・ラ・大地がシダックスに対するTOBを開始>
オイシックス・ラ・大地は2022年8月29日、シダックスに対するTOBを開始することを公表しました。本件は、シダックスの大株主であるユニゾン・キャピタルが所有する約27%の株式を取得することが目的であり、TOB後もシダックスは上場を維持します。しかしながら、シダックス取締役会は反対意見を表明し、ユニゾン・キャピタルも応募契約を結んでおらず、成立が危ぶまれています。これは大株主でもある創業家の思惑が取締役会に受け入れられていないということが原因です。
本件は、対象会社の賛同を得られない敵対的TOBということではなく、ファンドを株主として迎え入れたシダックスの資本政策とコーポレートガバナンスのあり方に係る問題として、注目すべきと考えます。
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2022年7月の注目ディール<DeNAによるデータホライゾンに対するTOBが成立>
DeNAによるデータホライゾンに対するTOBは、買付予定数の上限を大きく上回る応募を集め、7月29日に成立しました。本件のTOBは、DeNAを割当先としたデータホライゾンによる第三者割当増資と、DeNAの子会社であるDeSCヘルスケア株式のデータホライゾンへの譲渡との組み合わせで実施されるものであり、一般的なTOBと比べてスキームが複雑です。
そのスキーム故に、少数株主にとって不利益という疑念が発生する可能性について、DeNAは丁寧な説明をしたことが、本件の成功要因の一つと言えるかもしれません。
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2022年6月の注目ディール<パイプドHDがMBOに再挑戦>
2022年6月22日、パイプドHDはMBOの一貫としてTOBを開始することを発表しました。同社が2021年10月に試みたMBOは失敗に終わっていますので、今回は再挑戦ということになります。TOB価格は前回と同様の2,800円です。特別委員会はこれを増額させることを要求しましたが、その要求は通りませんでした。
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2022年5月の注目ディール<大豊建設が自己株TOBと第三者割当増資を実施>
大豊建設は2022年3月24日に、麻生グループとの業務資本提携契約締結と共に、自己株式を対象としたTOBと麻生を引受先とした第三者割当増資を実施することを公表しています。両取引は5月24日の定時株主総会における第三者割当増資等の承認を条件としていたため、5月25日にこれらを実行することが改めて公表されました。本件の自己株TOBは村上ファンド系のシティインデックスイレブンスらが保有する大豊建設株式の買い戻しを目的としたものです。
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