2022年4月の注目ディール<東洋建設へのTOBに対してYFOが対抗提案>

2022-05-13

2022年3月22日より開始されていたインフロニア・ホールディングスによる東洋建設に対するTOBは、公表翌日から市場価格がTOB価格770円を超える荒れ模様を呈していました。その状況の中、Yamauchi-No.10 Family Office(YFO)が東洋建設に対し、TOB価格を1,000円とする対抗提案を提出します。
益々行方が見えなくなってきた本件には、村上ファンドが株式を保有していたという伏線があると思われます。

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2022年3月の注目ディール<コインチェックがDe-SPACによりナスダック上場>

2022-04-13

2022年3月22日、マネックスグループ子会社のコインチェックは、ナスダック市場に上場しているSPAC(特別買収目的会社)との合併を通じて同市場への上場を目指すことを公表しました(SPACが事業会社との合併によりSPACでなくなることをDe-SPACといいます)。一連のストラクチャーはクロスボーダー型の三角合併、逆三角合併、アーンアウトを含む複雑なものとなりました。
マネックスグループにとっては、2021年11月のトレードステーションのDe-SPACによるニューヨーク市場上場に続く、2回目のDeSPACです。海外の上場子会社2社を傘下におくことになる同社の今後の事業展開に注目すべきです。

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2022年2月の注目ディール<鴨川グランドホテルのMBOが成立>

2022-03-13

2022年2月22日、鴨川グランドホテルのMBOを目的とした2回目のTOBが成立しました。鴨川グランドホテルは2021年3月期より債務超過に陥っており、コロナ禍の影響が続く2022年3月期も赤字の見込みであったことから、同社の復活を目指した再生案件といえます。
本件MBOでは、少数株主の利益保護に加えて、経営責任の明確化並びに債権者との調整が必要となったことから、通常のMBOよりも複雑なスキームが採用されました。

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2022年1月の注目ディール<ナルミヤに対するTOBに主要株主が2段階応募契約>

2022-02-13

2022年1月13日、ナルミヤ・インターナショナルの筆頭株主であるワールドは、同社の連結子会社化を目的とするTOB実施を公表しました。本件では、合計で26.58%を保有するナルミヤの主要株主4社がワールドと応募契約を締結しています。但し、この応募契約は、TOB開始後15営業日までに20%を応募したうえで、TOB最終日時点でなお保有している株式を追加で応募するという2段階応募が条件とされた珍しい契約です。
他に例を見ない2段階応募契約について、その背景を含め、注目したいと思います。

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2021年12月の注目ディール<SBIホールディングスによる新生銀行に対するTOBが成立>

2022-01-13

2021年12月10日、SBIホールディングスが実施していた新生銀行に対するTOBが成立しました。本件は、新生銀行による買収防衛策導入など、一時は我が国の銀行業界における初の敵対的TOBに発展した案件であり、多くの注目を集めました。
本件では、銀行法の認可や公的資金問題等他では見られない事情を背景に、買収防衛策を巡る攻防が繰り広げられました。

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2021年11月の注目ディール<パイプドHDのMBOが失敗>

2021-12-14

2021年11月15日、パイプドHD対するTOBが不成立に終わりました。本件TOBは、同社の佐谷社長がアドバンテッジパートナーズをスポンサーとして仕掛けたMBOの一貫として実施されたものです。TOB不成立の直接の理由はTOB価格におけるプレミアムの低さであると思われますが、本件では、自己株TOBとの組合わせや買付予定数の下限を下げる考え方など、今後の実務において参考にして良い工夫が見られます。
本件TOBが不成立に終わった要因を考察してみました。

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2021年10月の注目ディール<ユニバーサルエンターテイメントの子会社がDe-SPAC上場>

2021-11-13

2021年10月15日、ユニバーサルエンターテイメントは、フィリピンの100%子会社を、米国NASDAQ上場のSPAC(特別買収目的会社)との合併を通じて同市場に上場させることを公表しました。日本企業が関連するDe-SPAC上場は、本年9月におけるサン電子のイスラエル子会社の事例に続いて2例目です。
日本市場ではまだ認められていないSPACですが、米国における資金調達やベンチャー投資のための選択肢として位置づける必要が出てきたと思われます。

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2021年9月の注目ディール<西松建設が自己株式を対象としたTOBを開始>

2021-10-13

2021年9月21日、西松建設は自己株式の取得を目的としたTOBを開始する旨公表しました。買付株式数の上限として設定された15百万株は、発行済株式総数の27%にあたります。TOBの目的は、シティインデックスイレブンスなど、合計25%の株式を保有する村上世彰氏が率いるファンドからの株式取得です。
本TOBのストラクチャー自体に特別な点はありませんが、注目すべきは西松建設が繰り出した村上ファンドに対する対抗策でした。それは、村上ファンドに対して株式買増しの中止等を要請することの是非を株主総会の議案とし、村上ファンド以外の一般株主のみで決議するというもの。マジョリティ・オブ・マイノリティを利用してアクティビストの締め出しを図るものであり、新株予約権を利用した買収防衛策とは異なる新たな手法です。
実際には、村上ファンドが買増しをしない等の誓約書を提出したため、株主総会の決議事項からは取り下げられました。今後、この新たな手法の是非について、熱い議論が展開されるものと思われます。

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2021年8月の注目ディール<フーリハン・ローキーがGCAに対してTOBを開始>

2021-09-13

独立系M&Aアドバイザリー会社であるGCAが、米国のフーリハン・ローキーの買収提案に合意しました。フーリハン・ローキーは8月4日にTOBを開始しています。GCAは米国及び英国の独立系投資銀行との経営統合を繰り返しながら、日本発のグローバル独立系M&Aアドバイザーとして事業を拡大してきましたが、今回の買収により外資系となることになります。今後の同社がどのように変わっていくかを見続けたいと思います。

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2021年7月の注目ディール<日本アジアグループに対するTOBがついに成立>

2021-08-13

村上系ファンドのシティインデックスイレブンスによる日本アジアグループに対するTOBが7月30日に成立しました。本件は、2020年11月に開始された日本アジアグループのMBOに端を発し、敵対的TOB、特別配当、買収防衛策など、様々な策が展開されて紆余曲折の道のりを経てきました。
8月31日に開催される臨時株主総会で株式併合が承認され、スクイーズアウトが実施される予定ですが、当該臨時株主総会の基準日はTOB実施期間中の7月12日。この異例な取り扱いが、最後の波乱とならないことを祈ります。

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